自宅で行う試合前日のチェックポイントとは?

一般的に大事な試合でベストパフォーマンスを発揮することは非常に難しいとされています。これは野球に限った話ではありませんが、集中力とリラックスの共存が上手くいかずに文字通りあっという間に試合が終わってしまったなんて選手も多いはず。こういう場合は「緊張したら一呼吸入れろ」と落ち着かせる指導が代表的ですよね。

確かに丹田を意識した腹式呼吸で深呼吸をすると、信じられないくらいリラックスでき同時に集中力も上がります。ですが、この呼吸にしても普段から当たり前のように行っていないとノンプレッシャー時ならまだしも、もの凄くプレッシャーがかかっていて、緊張し委縮している状態で腹式呼吸なんて・・・そうそうできるもんじゃないですよね。

そうならないためにも普段の練習から意識すべきことはしっかりやっておきたいものです。今回取り上げるテーマも普段から行う、いわばベースとなるトレーニングでもよかったのですが、夏の大会が近いという事もありますので試合前日に使えるちょいテクなんかをご紹介したいと思います。

チェックすべきポイントは3つ

集中力を落とさずにリラックスさせるのは容易なことではありません。対戦相手との圧倒的な「技術力」「センス力」「身体能力」の差があれば、普段通りのプレーができますが、拮抗したチーム同士で、なおかつ緊迫した試合展開の大事な場面で自分に打席が回ってきたら・・・。こういった場合で、ベストパフォーマンスを発揮するには、以下3つのポイントをいかに上手く調整するかがカギを握っていると私は選手に指導しています。

  • 身体的なコンディションの面
  • 対戦相手のデータなど技術的側面
  • 本質的な部分であるセンス

身体的な面でケアすべきは3パーツ

まず1つめのチェックすべきポイントは、翌日の試合で万全なコンディションで挑める状態にあるかどうか?野球では「股関節」「肩甲胸郭関節」「背骨」の3ヶ所が非常に重要になってきます。誤解を恐れずに言ってしまえば、この3つさえ調整しておけば、そこそこ安定したパフォーマンスは発揮できます。

コンディション調整というのは受動的なマッサージか能動的なフィジカルトレーニングに分かれます。前者の受動的な調整法というのは一時的な場合がほとんどですから、試合の前日や当時に行うには有効な方法といえるでしょう。逆に後者の能動的に調整する方法は運動のプログラムを根本的に変えていく、たとえば疲れにくいような身体を創り、効率的な動作を覚えこませていくという方法です。どちらが良いかと言ったら当然後者の方法です。ですが、能動的に行う方法は長いスパンで考えていかなければいけません。時間が無いという選手もいるでしょうから、そういう選手は以下の方法で調整してください。

まず、股関節ですが鼠径部の張りと中臀筋の疲労を取り除くことを重視します。ストレッチの方法は各チームで異なると思いますが、基本は「やさしく」「じっくり」「ストレスをかけない」というやり方で行ってください。立って行うと力みが発生しやすいので、寝ながら行ってください。次の肩甲胸郭関節ですが、肩甲骨周辺が非常に固い選手ですと、肋骨と肩甲骨の間といっても隙間が無いと思います。そういう場合は肩甲骨周辺をゆっくり・じわりとマッサージしてもらいましょう。最後の背骨ですが、両サイドの脊柱起立筋を重点的にマッサージしてもらいます。頸椎部分・胸椎部分・腰椎部分の3パートに分けてそれぞれ10分程度行ってもらうのがいいでしょう。翌日の試合で身体のキレが違ってきますのでじっくり行ってください。

対戦相手のデータ分析はフィードフォワードに気を付ける

最近のスポーツ界ではデータを駆使して対戦相手の特徴や癖を理解して予測しながら戦うという方法が主流です。野球でもスカウティングレポートという言葉が流行っていますね。これらは高度な戦術・技術となりますから十分に活用するといいでしょう。少年野球でもそこまで詳しく調べてなくても、「サウスポーで背が高くて球速が速い。制球に難あり」程度は入ると思います。

そういう情報で最も危険なのはフィードフォワード(相手の動作を予め予測して動くこと)を裏切られたときに、センスの無い選手は思考・動作共に居着きが生じ、次のプレーで必ず一歩遅れてしまいます。情報は武器になるがセオリーに固執するのは良くないというスタンスで挑むといいでしょう。

予測を裏切られても対処する術

そして最後がセンス。上記のフィードフォワードの例で言えば、これを調整するとしないとでは、さながら戦場に丸腰で行くかの如く差が大きく出てしまいます。たとえば、チームで熱心なお父さんが来週の対戦相手を「サウスポーで背が高くて球速が速い。制球に難あり」とスカウティングしてきてくれたとしましょう。

一週間徹底してサウスポー対策をして準備万端!しかし、いざ試合が始まったらどんどんストライクを先行してくる。初球はストライクを見逃す。二球目はきわどいコースで2ストライク。最後は高めのクソボールを空振り・・・。このままではいけないと、ファーストストライクを積極的に打ちに行ってベルトより上は捨てていけと試合中盤にいきなり作戦変更される。この無理難題を、ガチガチに緊張するトーナメント形式の公式戦ですぐに対応できる選手は、打てる打てないを別にしても果たしてチームで何人いるでしょうか?ほとんどいないでしょうね。これがフィードフォワードの恐ろしさです。

セオリーや相手の情報を頭に入れて次のプレーを考えることは正しいんです。正しいのですが、もし予測と全く違う場合選手はどう対処できるのか?ここがセンスの差でしょうね。相手と力が拮抗しているのなら、崩されても対処できるセンスがあり「崩されることを前提に打席に立てる」のと、崩されたら何もできないから「崩されまいと打席に入る」のとでは、試合での安定感がまるっきり違ってきますよ。

試合前日のセンストレは重心感知とタイミング系で決まり!

センストレーニングはこういう部分にも役に立ちますから、試合でアガってしまう選手はぜひ行ってもらいたいです。私がお勧めするのはバット中心操と軸の前傾、それからイメージトレーニングで軸足の踵の踏み込みを入念にチェックする事です。バット中心操は簡単ですが威力は抜群で、試験前日の丸暗記よりも遥かに効果がありますから必ず行ってください。

軸の前傾は股関節の調整も兼て行います。それから軸足の調整も行っておきたいですね。軸足踵の踏み込みを相手投手をイメージしながら、繰り返し体重移動を行っておくといいですよ!踵で踏み込むことで方向性・強弱・タイミングなどを自在に調整できるので、フィードフォワードの罠に陥らなくなるんです。もちろんこの踵の踏み込みは、長いスパンで考えてトレーニングするべき方法なので日頃から行っている選手の方が効果はありますが・・・。

あとは「ただただ相手を打つことだけ」です。悔いのないプレーをするのは難しいですが、ある程度納得のいくパフォーマンスを発揮したいところですね。今回はここまで

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