守りのリズムは攻撃へと繋がる! 守備で大事な2つの動作

少年野球のチーム練習というのは「打撃」「守備」「走塁」の比率が非常に難しいですよね。高校野球ともなれば「チームカラー」「伝統」と言ってしまえば選手はすべて従ってくれますが、小学生相手に守備練習ばかり行っていたりすると、練習全体の質が下がりチーム力の低下を招いたりもします。

土日でどんなに技術練習を行っても、やはり小学生同士の試合では本質的な力が高い選手には残念ながら敵いません。中学・高校で野球を続けるなら嫌でも技術練習を行うわけですから、小学生の内は小学生に合った練習を選択すべきです。また、身体資源に恵まれた選手も少年野球時に技術を詰め込みすぎると、せっかくの恵まれた身体も中学生・高校生になった時には、技術優位の小さくまとまった平凡な選手になる危険性もあります。

そこで今回は効率よく小学生が本質的な力を練習するために「守備」でも「打撃」が鍛えられてしまう方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

時間と労力をいかに減らすかがポイント

ビジネスでは、1つの仕事に対して掛ける「時間」や「労力」を減らしていくことが大切ですが、小学生の練習でもこれは同じことが言えます。各練習の運動にかかる「時間」や「労力」を減らすこと、すなわちコストを下げれば下げるほど効率のいい練習になります。

たとえば、ボール回しがまともに出来ないチームレベルで「何でそんなこともできないんだ!できるまでやるんだよ!」と怒鳴りながら半日を費やすのは、根性がつくかどうかは知りませんが、こと野球のパフォーマンス向上においては無意味でしょう。なぜできないのか?を冷静に考え「あーこの選手はこのレベルだからできないのか。じゃもう一つ難易度を下げて・・・」と行うのとでは長いスパンで考えていくと、得られる結果が大きく違ってきます。

私は「出来ないものは出来ない。それ以上もそれ以下もない。」というスタンスで指導していますので、必然的に「怒り」というのが湧いてきません。まぁ選手をみればどのくらいセンスが無いというのがわかっていて、どういった練習をさせると効果があるというのが皆さんよりちょっとばかり知っているというのが大きいのでしょうが(笑)

軸の前傾はすべてに通ずる

そんなドライ?な私がおすすめするのは、普段の練習をしながら選手の動作そのものを変えていく努力をすることです。ひとつひとつを丁寧にクリアしていくのが一番いいのでしょうが、何せ彼らには時間が限られていますからね。もちろんわざわざそれ専用の練習時間を割くのも必要ですが、それ以上に普段の練習をしながら効率よくセンスを上げていくことが上手な選手の育て方になってきます。

いろろいろおすすめな方法はありますが、今回は守備をテーマにします。まずはこれ

軸の前傾
身体の軸を前傾する動き

身体の軸を前傾させること!あらゆるセンスある動きのベースになっているといっても過言ではない動作です。頭頂部から仙骨までしっかり軸を意識して倒していく。腰を痛めやすい選手はこの軸を前傾していく際に股関節周りのブレーキ要素が多いことが原因です。守備で「腰を低くしろ」という指導は、目線をボールに合わせろという意味でしょうが、何も腰を落とさなくても体軸を前傾させるだけでこんなにも低くなります。

この動きを意識し続ける事でバッティングに非常に影響してきます。バッティングのすべての動作が変わってくるのですが、特に「間の取り方」が変わってきます。タイミングをとるのが下手だという方はぜひお試しあれ!

ちなみに従来の守備の基本とされる構えですが、腰を落としてわざわざキツイポジションで下半身を固定し、どんくさい動きで間に合わなかったら本末転倒ですね(笑)腰を落とすことは「守備の基本」だからという指導者の方がまだまだ少年野球には多いですが、ここは十分に気を付けてください。守備の基本は「相手より早く指定のベースへボールを届ける事」です。決して捕り方うんぬんが基本ではありません。キャッチの仕方は数あるスキルの一つですね。

ゴロの取り方もセンスで見栄えに差が出る

ゴロを捌く動作も「センスのある野手」と「センスの無い野手」とでは明らかに違いますよね?これ、じつは私が再三申し上げている肩甲骨と肋骨の間の肩甲胸郭関節の使い方がカギを握っているんですよ。動きはこんな感じです。

肩甲骨の前回転
肩甲胸郭関節を前回転させる

自分の身体の軸へ引き込むように回転するんです。これだと「グラブを前に出す動き」と「スローイングまでの流れる動き」が共存するんですよ。ゴロを捌くのが上手い選手は、やはり「捕って」「みて」「投げる」それぞれの動作が繋がっていて、山と谷がハッキリしないのが特徴ですからね。

この肩甲胸郭関節の動きはバッティングの深い突きで使いますから、守備の時間も有効に活用していくのがいいですね。慣れてくると重たい道具を運ぶ時や腕で上半身の重みを支える時なんかでも使えるようになってきます。そこまで徹底すると、やはり普段の退屈な技術練習も「質」が格段に上がってきますよね。

調整する術をマスターせよ!

今回紹介した、この2つの動きはバッティングにかなり影響しますから普段から行うといいですよ。毎日行っていると調子のバロメーターではないですが、あらゆる動作から「今日は右の股関節のお尻側が固いな」とか「肩甲骨の動きが悪いな」などわかってきますからね。あとはそこを集中的にケアすれば絶好調まではいかなくても普段通りまではコントロールできますからね。

プレーに安定感が無い選手はこういった調整法をマスターするのがお勧めです。

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