腰痛を改善しバッティングのパフォーマンスを低下させないコツ
野球は立位で繊細な重心のコントロールを求められますので腰背筋が過緊張しやすく、腰痛持ちで思うようにスイングできないという人も多いかと思います。腰は体の要と書くほど重要な部位ですし、野球選手はいかに腰部の適切な力配分を行うかが大切となります。主観的には腰に違和感を感じる程度でも本来のパフォーマンスより30%は落ちるのではないでしょうか?
ただでさえ日々の練習で身体を酷使していますから腰部の過緊張を解す努力はどの選手でも必要です。少しでもケアを怠るだけですぐに固くなるのが腰です。そういう意味でも、野球は腰部の過緊張を解すための時間が少ないかなと思います。
とはいえ、腰のストレッチ法はそれほど種類も多く無いですし、リハビリ組にでもならない限り腰部のストレッチだけの時間をわざわざ割く事はできません。もちろん椎間板ヘルニアなど重い症状なら病院へ直行ですが、そこまで酷くないけど違和感や気怠さがある程度ならほとんどの選手はそのままプレーを続けているかと思います。
誤魔化してプレーを続けるのは良くないのですが、練習を続けながらどうにかしたいという人へ練習中と自宅で意識しておきたいポイントをいくつか挙げておきます。
- 腰のストレッチは入念に行う
- 立位と正座を交互に行い仙骨を立てる
- 壁を使って股関節に重心を置く練習を繰り返す
- バッティングフォームをステップ足重心に変える
腰のストレッチは入念に行う
まず、腰のストレッチです。仰向けに寝て膝を抱きかかえるようにしてゆっくり腰背筋を伸ばす方法が一般的でしょうか?両ひざ、片膝のやり方もありますね。膝を立てて両膝をサイドに倒していく方法も有効でしょう。ストレッチのコツは無理やり伸ばさないこと。
柔らかく解すように行うにはイメージすることが大切です。全体にジワジワと染み渡るように息を細く長く吐きながら伸ばしてください。単にぎゅーっと伸ばすだけよりも、呼吸を使って液体をイメージしながらゆったり大きく伸ばしていくほうが効果が高いです。こういう細かいことが苦手な人もいるかと思いますが、ぜひ入念に意識しながら行ってみてください。
立位と正座を交互に行い仙骨を立てる
普段の姿勢を変えていくというのも腰痛改善には大変有効です。腰背筋が過緊張する人は、普段からつま先重心が多く、無駄に力んだ立ち方に慣れている場合が多いです。踵寄りに重心を置くように意識するといいでしょう。いつもより踵に体重を持ってくると上体が仰け反るような反応をみせるというひとは、それだけ力配分が下手くそだという事ですので早急に改善すべきです。
また、正座を行うのも効果的かなと思います。正座は坐骨を意識しやすく、仙骨が垂直に立つ感覚を覚えやすいからです。腰を反って姿勢を正すのではなく、坐骨を立てることで体軸がまっすぐになるというイメージです。
上記のポイントを抑えながらスッと立ってスッと正座をするいう動きを繰り返し行うというのも良いトレーニングになるでしょう。頭の位置を動かさないように真っ直ぐ上下動できるようになれば「力を抜く重要性」ということがわかってくるかと思います。
壁を使って股関節に重心を置く練習を繰り返す
これは以前、軸足の股関節に重心を置くコツという記事で紹介した方法ですが、腰痛持ちのバッターにはお勧めです。股関節を中心に上半身と下半身の動きを連動させることを徹底すれば、腰背筋の過緊張というのは自然と減ってきます。
外国人打者のようにクラウチングスタイルのフォームで入れ替える練習を行うと良いでしょう。ただ、あまり深く前傾すると腰背筋が反応するのでゆっくり・じっくり・焦らず・徐々に行っていきましょう。仙骨から頭までまっすぐに保てるようになると股関節に体重が乗せやすくなりますので、軸の意識をしっかり持つというのは大前提です。
バッティングフォームをステップ足重心に変える
スイングでヘッドステイバックのように後ろ足に体重が残るようなスタイルの場合、ステップ足に体重を乗せてスイングするスタイルに変えるというのも一つの手でしょう。もちろん景色が思いっ切り変わってしまいますので実戦期間中にはあまりお勧めできませんが。イメージ的には松井秀喜選手からイチロー選手に変えるようなものですからね。
もし行う場合は、スタンドを使ったティーバッティングがいいでしょう。軸足の股関節に予め乗せておいて、体重移動をしながらステップ足に体軸を移動させる。この流れで行います。スタンドはステップ足が着地するであろう位置よりも、かなり前へポイントを置いてください。そうすることで後ろ足に体重を残してスイングしていた選手も比較的コツを掴みやすいかと思います。
以上です。冒頭でも触れましたが、腰痛といっても重度のものは大変危険ですので病院へ行くべきです。
湿布を貼ったり風呂で解したりなど、様々な努力をしている選手は上記のポイントを実践してみるのも良いかもしれません。それから「無理をしないで思い切って休むことも大切である」ということも最後に言っておきます。