体重移動が上手くできない選手が行っておきたい遊びとは?

よく試合で耳にする表現に『球が重くて打球が飛ばない』などがあります。スピードガンでは表示されない部分ですのでこういう現象は科学的では無いと言われるかもしれません。ただ体重が乗ったボールがそれに近いというのは何となくわかりますよね。この重い球質というのはバットでもいえると私は思っています。さらにその重みこそが打球の飛距離を伸ばすコツになるはず。

体重移動を行うことで、ボールを遠くへ飛ばすためのエネルギーを生み出すのですが、この時に「体重が上手く乗ったスイング」が出来ないと力感の割に打球が飛びません。

近年では理論および指導の難しさからか、私自身もあまりこういう方法は教えたりしないんですが…。冬になると実戦練習から離れ自分のスイングと向き合う時間が増えるかと思いますのでちょこっと紹介。今回お教えする方法は毎日ガチで行うというよりは『暇な時にでも~』的な気持ちで試してみてください。

踏ん張って・どっしり・低重心では重みのある打球は飛ばない

さて、今回のメインテーマはいわゆる「体重の乗ったスイング」をするわけですがこの表現に対しての指導方法や練習方法、実際のスイングなど皆さんはどんな感じのイメージを持っていますか?

ほとんどの人は低重心でどっしり構え、下半身がブレないようにスイングすることって感じじゃないでしょうか?確かにグッと踏ん張れば安定感は格段に増しますから体重が乗ったボールが飛びそうです。

ただ、このブログで解説している通りそういう安定感はバッティングに不向きであるということ。運動性を失わない安定性でなければバッティング全体のパフォーマンスは向上しないということをお話してきましたね。

とはいえ、少年野球のバッティング指導では昔からこの方法を教えているので、体重が重い選手ばかり良い思いをして、体が小さく体重が比較的軽い選手は飛距離が出ないという現状もあるでしょう。

そこで体重の乗ったスイングを自然と身につけるべく私が小学生達によく教えていたのが“バットにもたれかかる”ということ。

バットにもたれかかる意識が飛距離に繋がる

やり方はカンタンです。二人一組で行います。下図のようにバットを持ってもらい相手を動かすというシンプルな遊び。(※芝生など地面が柔らかい場所で行い、できれば金属バットの使用を避けた方が安全です。)

バットにもたれかかるトレーニングの解説図1

リラックスしながらバットを構えて立ちます。

バットにもたれかかるトレーニングの解説図2

相手の両踵が思わず浮くほどの威力でもたれかかります。

バットにもたれかかるトレーニングの解説図3

バットにもたれかかるトレーニングの解説図4

かなり倒れますのでしっかり力を抜いていないと
体軸を立て直すことはできません。気を付けてください。

バットにもたれかかるトレーニングの解説図5

バットにもたれかかるトレーニングの解説図6

もたれかかるというのがポイント。
突っ込んでしまっているような体重移動から体軸のキープが可能

バットにもたれかかるトレーニングの解説図7


もちろん、この形で打ちなさいと言いたいわけではありませんよ。これでボールに突っ込んでいくのは、めちゃくちゃ危ないですからねw

ただイメージというか意識や感覚の中では相手にもたれかかるときのぐにゃっとした重みのある身体とそれをまとめている中心の軸。この2つが全体のバランスを高次元で可能にしているということ。

小学生なんかはこういう遊びを本気になってふざけてくれるので、周りの大人がケガさえ注意していればあれこれ言葉で説明するより伝わりやすいんですよ。『ボールにぶつける感覚』って言うとセンスの無い選手はどうしても肘から先を意識してしまいますからね。

固定的な支点で感じる重さに騙されるな!!

原理的にはこれですね。

バットの扱い方

バット中心操(図A)でコンパクトにスイングすれば必然的に威力の無いスイングになりますから(バット中心操と自中操のメリットを参照)他でエネルギーを生み出さなければいけません。

さらに上記のバット中心操の動きは手首やグリップだけを図通りに動かしただけではダメ。肘や肩関節、肩甲骨や肋骨。下半身までスムーズなズレが大切になってきます、と解説したようにバッティングにはしなやかさが必要です。

とうぜん全身がタコのようにぐにゃぐにゃではバットを振ることはできません…が、見た感じセンスの欠片も感じない機械的な、『まるでロボットのようにガチガチな動き』と比べれば。一流のバッターは全身の固定的な支点が圧倒的に少ない。

バットにもたれかかるトレーニングの解説図8

バットにもたれかかるトレーニングの解説図9

自分を中心に相手を動かそうとすると確かに重みを感じるが…

バットにもたれかかるトレーニングの解説図10


こういう方法で相手を動かすなら「体重が乗ったスイング」にはならないでしょう。繰り返しになりますがこの形のままスイングしている人はいません。

0か100かではなく、腰の回転や肩の開きの押さえ方や体軸のコントロール精度…様々な要因が重なってスイングが成り立っているので、実際は『そんな馬鹿な。こんな振り回すような扱い方は俺はしていないぞ!』って感じると思います。

そういう時に便利なのが芝生の上で、もたれかかる動きを行わせる。転倒するんじゃないかってところまで身を委ね、体軸でバランスをとる。個人的にはこれがバッティングで飛距離を伸ばすための基礎かなと思っています。慣れてくると「もたれかかりながら自分中心にシフト」「自分中心からもたれかかるようにシフト」というように両方のタイプを試合展開で使い分けたりできま…まぁ、これ以上深入りしすぎるとあれなんで止めますw

ケガにだけは注意して行ってみてください。春先には体重移動で思いっきりの良いステップができるようになっているかもしれませんよ!

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