あなたはどのタイプ?優れた4つのスイングから自分の打撃スタイルを見つけよう!

メールNo.107 配信日2016/04/04

前回の公式メルマガでは
一般的な技術指導でよく使われている「脇を絞めて打つ」のと
センスアップで私が提唱している「引き動作」の関係性についてお話ししました。

基本的には脇を絞めて打ったほうが打球は飛びますし
動作の難易度的にもそう難しくはありません。

引き動作を行うメリットは
厳しいコースやボールに対応する「懐の深いスイング」が行えること。

引き動作は、肋骨や肩甲骨のスムーズなスライドが必須なため
体幹主導のスイングができるほどの強靭さとしなやかさが求められる。
したがって脇を絞めてスイングするよりも動作難易度は高い。

各上の投手が相手の場合、つまりギリギリまでボールを見極める必要がある投手…
具体的には「手元で前後左右上下方向へ急激に変化するボール」を投げてくるのなら
脇を絞めて打つスイングだけで勝負すると、確実性が落ちる。

懐の狭いスイングだと
どうしてもバットと腕のリーチが邪魔をしてくるので
手元まで引き付ければそれだけ差し込まれるリスクが高まる

ポイントを前にしすぎると脇を絞めてスイングする分にはドンピシャでも
上記の手元で急激に変化するボールにはめっぽう弱い。

ではそれらをどのように埋めるか、あるいはデメリット自体を打ち消すのか・・・
この部分をハッキリしておくと
自分の打撃スタイルがちょっと見えてくるのではないかと思っています。

優れた4つのスイング

私は優れたスイングの指標を4つにわけて考えています。

  • 早さ
  • 速さ
  • 破壊力
  • バランス

簡単にいうと
早さは動き出しの早さ、
速さはトップスピードの速さ、
破壊力は筋力的なパンチ力、
バランスは感覚的な身体操作

ぶっちゃけると、速さと破壊力は身体資源に依存しやすいです。
筋トレである程度はいけるんでしょうけど…単純に覆せない部分はありますよね。

お気づきの人もいらっしゃるかと思いますが
センストレでは早さとバランスを主にトレーニングしています。

それぞれのタイプの相性

脇を絞めたスイングと相性がいいのが「破壊力タイプ」。
それとバットを振ったときのヘッドスピードがくっそ速い「速さタイプ」の選手も
甘いコースへ来た時の爆発力はすさまじい。

この2つのタイプが長けている選手なら
テクニックの部分(たとえば、自分の嫌いなボールに投げさせないなどの打撃技術面)でカバーして迷うことなく脇を絞めたスイングで勝負すると面白いでしょう。

好球必打でファーストストライクから
持ち前の力強いスイングでガンガンバットを振ってやれば
相手バッテリーのプレッシャーも跳ね上がります。

逆に引き動作と相性がいいのが、動き出しの「早さタイプ」の選手。
ぎりぎりまでボールを引きつけて
逆方向へ強い打球を打ち返すような打撃スタイルはこれです。

「早さタイプ」は、腕やバットのリーチを積極的には利用しないので
そういう意味ではあまり威力は出ません。

しかし、体幹主導のスイングで「懐の深いスイング」を行うため
肋骨や背骨、肩甲骨や鎖骨・肩関節など上半身の主要なパーツを総動員させスイングするのが特長です。

なので、肋骨付近の深層筋・中層筋と体幹のアウターマッスルを連動して使える選手なら、
その爆発力は上記の「破壊力・速さ」の2タイプに匹敵・・・
いやそれを凌駕することも、場合によってはあり得るかもしれません。

センストレでは

  • 身体の深部を使えるようにすること
  • 動作の早さを求める「バット中心操」でのスイング

を主にトレーニングしますので、身体資源に自信のない選手はぜひ!

最後にバランスについてちょっと触っておきます。
これはちょっと特殊というか、そこまでやらなくてもいいかとは思いますが一応解説を。

今回のちょいテクシリーズでテーマにしてる
脇に絞めや引き動作に限っていえば「使い分け」っていうのがわかりやすいかと。

状況や場面に応じて、柔軟に両者を使い分ける

たとえば、インコースの厳しいボール。

これまで解説してきた通り、通常なら振り遅れて詰まるリスクを回避するため
引き動作で「懐の深いスイング」を使ったほうが手元でインパクトできますので、芯で捉える確率がそれだけ上がります。

逆に脇を絞めるスイングだとリーチが邪魔して
ミートポイントを後ろに持っていくとなかなかヘッドが出てこないので詰まりやすい。
が、それをあえて利用して積極的に詰まらせて外野の前に落とすというスイングを選択する。

こういった感覚意識的な操作=バランスは、
身体運動の本質力が高い選手が無意識に行う傾向があるかと。

たぶんプロ野球選手クラスになれば、
『普段は厳しいコースにも対応すべく全打席長打を狙うことは無いけど、
長打狙いにすれば率は落ちるがホームランくらい俺だって打てるよ』って選手がほとんどだと思います。

使い分けてくるバッターだと
バッテリーとの駆け引きがヒートアップしてくるので観ている側は面白いですよね

小学生へのお勧め指導

最後に、変化球の無い少年野球の場合は引き動作は必要なのか?

うーん、やはりレベルが高くなるとスローボールと直球の緩急がうまい投手もいますし、
110キロ近いボールを投げ込んでくる投手の場合はインコースにズドンとこられたら厳しいですよね。

まぁ、そのクラスの投手を打ち崩そうと考えてるのなら
それなりに「バランスに優れた選手」なので、使い分けを練習しても問題ないでしょうけど。

ただ技術的にはバッティングの基本というのは「脇を絞めて打つこと」だと思うんですよ。

脇を絞めて強くボールを叩く…
これにプラスして体幹部のしなやかさをトレーニングし
肋骨付近の深層筋・中層筋と体幹のアウターマッスルを連動して
小柄な選手でも爆発力を生み出す。

このコンボが筋力的にも不利な小学生では最適じゃないかと。

脇絞めて体幹主導のスイングで甘いコースを強く叩く。
余裕が出てきたら懐の深いスイングにもチャレンジしてみる。
この流れが小学生へのバッティング指導ではお勧めですかね。

次回は日常生活でちょっと意識してみてもらいたい面白ネタをぶっ込んでいこうかと思います。お楽しみに

詳細はこちら

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