バッティングは○○○が重要!?山田&柳田選手の参考にすべき3つのポイント

メールNo.82 配信日2015/10/05

だいぶ久しぶりの公式メルマガですね。
確か前回は山田選手と柳田選手の参考にすべきポイントを…で切ったと思います。

なので今回のメルマガは今季のNPBを盛り上げた2人の打者、
ヤクルト山田選手とホークス柳田選手のバッティングについて書いていきます。

対象は、そうですね…
パワーヒッターってほどじゃないが長打を打ちたい全選手ってとこでしょうか

基本的にセンスアップは本質力向上なので
レベルを学年でカテゴライズすべきではないのですが、

理解する難易度的にいえば小学生でもできることばかりなので、
時間があればぜひ自主練にでもトライしてみてください。

さて、前回の公式メルマガでも書きましたが
山田選手と柳田選手はトリプルスリーという素晴らしい数字を残しています。
その事実だけでも今シーズン両者の打撃パフォーマンスは群を抜いて高いとわかりますね。

センスアップ的にみて
具体的に何がすげぇのかというと私は以下の3つではないかと思ってます。

・グリップの握りが極上に柔らかい
・ヘッドスピードも速いが、初動の反応が異常に早い
・細身のカラダからズシッとした重みを使う

まず、グリップ。
バッティングは自分で生み出したエネルギーを
バットへ、バットからボールへとロスなく伝えきることが求められます。

じつは、この“自分からバットへ”という部分が非常に厄介でして
こいつのでき次第でエネルギー効率に雲泥の差が出ます。

実際に私が各学年の選手たちを指導していて気づいたのは
いま現在たいした打球が飛んでいなくても
「長打を打つに値するエネルギーを生み出すことは出来ている選手」が
指導者が思っている以上にけっこういるんですよ。

くだけた言い方をすれば
『線が細くてもカラダのチカラがけっこうありそう』
『ちょーもったいねーな』みたいなねw

もちろんバッティングは単純なものでは無いですから
確かに打球が飛ばないのには、他にもいろいろ要因は山ほどあるでしょう。

そんな中でも今シーズンの山田選手や柳田選手のバッティングをみると
『あーやっぱり“手”だよな』って私は思います。

手???って感じで、かなり意外と思う方が多いかもしれませんね。

トッププロなので体幹のチカラも連動性もすげぇのは言うまでもないんですが、
それを道具に伝えるジョイントが圧巻です!!

とにかくバットの握り方がソフトだし、握る手の状態が極上の柔らかさって感じ。

よく「強く握る」のと「しっかり握る」のを
ごちゃごちゃに考えてる人がいらっしゃいますが
この2つは全く異なります。

うーん、たとえば・・・
これは私が小学校のころ流行ったのですが
二人一組になってグリップの握力を勝負するゲーム的なやつを知ってるって人はいらっしゃいますかね?

グリップをギュッと全力で握ってもヘッド側をくるっと回されると
簡単に手の内でズレてしまうアレです。

いくら強く握っても手とグリップの間に隙間のある握りでは
バッティングに必要な「フィット感」は生まれない。

イメージで言えばごつごつした固い手で握る感じ。
単純なパワーは強いけど複雑なパワーは苦手といったところ。

それに対して私がよくいってるのが
スライムでグリップを握るような、隙間の無いベターッというイメージ。
こいつで上記のゲームを行ってみると面白いですよ。

ヘッドを回されると、
グリップを握ってる手、腕、肘、肩、肩甲骨、肋骨が一緒に回ってしまう。
おーっとっとみたいな感じでね。カラダごと回るんです。

柔らかい手とグリップの形状がみごとに密着してるので
自分中心では無くバットが中心になり、自分はバットに従うって動きになる。

おもしろいことにこれを無意識にできるのがジュニア世代のガキんちょ達w
彼らの手の柔らかさは凄まじい。先の山田、柳田両選手に匹敵する柔らかさを持つ子もいるくらいです。

で、高学年になればなるほど手は固くなり
単純なチカラも上がってくるので
ヘッドを回された力に反発しようとし、結果的にこの一体感ができなくなる。

だから赤ちゃんくらいの手の柔らかさが理想って言ってるわけです。
反発するのではなく吸収するという感じでしょうかね。

したがって「強く握る」のと「しっかり握る」というのはこうい違いがあると私は思ってます。
バッティングでは握力は関係ないって昔からいわれてますけど
こういうことも関係しているんでしょうね。

実際のバッティングだと
グリップテープの性能によっては
力をめっさ抜いたとしても滑り止めが効くことがよくあります。

したがって手から完全にすっぽ抜けることは無いでしょうけど
脱力を試してスイングしてたら
スルスルと徐々に滑ってきちゃうってことは経験があるかと思います。

そういう選手はまず、握り方というか手の状況を見直してみてください。
パームグリップだとかフィンガーグリップだとか以前のお話です。

力を入れる・抜くも確かに大切ですが
スライムで握るようにベターッとグリップの形状と手とがフィットしているのかどうか
これを意識して掌を柔らかく使えるようにしてみるといいでしょう。

具体的な方法ですが
もっとも簡単なのは普段から自分で手を揉み揉みすること。
すごく簡単で拍子抜けしてしまうけど、だがこれがすごく効果が高い。

指ではなく掌の部分、中手骨や手根骨といった部分を揉み解すのがコツです。
道具を扱うスポーツである以上、手の柔らかさは避けて通れませんし
練習中でも授業中でもいつでもできますから、必ずやるべきかと思います。

それから、実際にグリップを握ってフィット感を確かめながら行うのも有効ですよ。
ベターッと握った時に
掌の部分がグリップの形と同じように、まるくなるようイメージしてください。

私がお勧めしている「ゆる体操」には
手首をプラプラする方法があるのですが
あれはやり込むと信じられないほど手先の感覚が鋭くなります。

とろとろに手が柔らかくなれば
山田選手や柳田選手のようなフィット感も可能になりますし、
手先も器用になりますから毎日癖になるほどやり込むのがお勧め。

これから肌寒くなる季節でもありますし
手を擦るついでに掌も揉み解してみてください。

そういった柔らかい手が生み出すフィット感ができてきたら
フィンガーグリップやらパームグリップやらオリジナルやらが効果を発揮するかと思います。

もう一度いいますが
「すでに長打が打てるレベル」の選手はかなり多いです。

手をそこまで重要視して
徹底的に練習メニューを組んでるチームは、ほとんど無いでしょうから
わりとリアルにけっこうな選手がチャンスかと思いますよ!

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