左肩を開かずにバットを気持ちよく振り切る要素とは?

メールNo.165 配信日2018/10/11

前回のメルマガからの続きです

【肩周りの使い方】

  • ≪section1≫基本はベストを駆使した深い突きが有効
  • ≪section2≫バッティングは脇を絞めると良い?
  • ≪section3≫左肋骨を気持ち先行させるだけで全然違う←ココから
  • ≪section4≫顎を残すと上手く左が畳める

左肋骨を気持ち先行させるだけで全然違う

ゆる体操の高岡英夫氏が提唱する身体意識の1つである【ベスト】

そのベストでの深い突きができると”強く押し込むインパクト”ができるため
フライボール革命が流行りそうなこれからの時代は、何れの学年であっても有効になってくると前回までお話しましたね。

ベストというのは、肩関節・肩甲骨・鎖骨のパーツと土台になっている肋骨とのパーツが連動して動くことにより、あたかも大きな関節ができるようになること。

したがって、普段のストレッチなどでも肩関節・肩甲骨どちらかだけの柔軟性を高めるのではなく、土台の肋骨も含めてそれらを同様に調整していくというのがコツです。

◇◇◇自由脊椎だけならだれでも回せるが・・・◇◇◇

これまでも、胸郭(肋骨)周りが使えるようになるとダイナミックなスイングができるようになるというのは言い続けてきたので、知っている人は既にスイングで意識している部分でもあるかと思います。

肋骨周りの筋肉は非常に凝りやすい性質があり、カラダがガチガチな選手だとそれこそ呼吸すると多少動く程度。

しかし、普段から意識して肋骨を動かすセンストレやゆる体操をしていると、感覚的には腰の自由脊椎を回そうとした感じと”ほぼ同じように肋骨部分も動く”ようになることが可能です。

◇◇◇どんなメリットがあるのか?◇◇◇

たとえば、全力でスイングしたときのいわゆる「腰が入ったスイング」ってありますよね?
そこへさらに肋骨が参加して2つでボディスピンができるイメージ。

さらに、骨盤、仙腸関節周りも自由脊椎どほぼ同様に動くのであれば「腰が入ったスイング」が骨盤+腰+肋骨と一度に3つも参加するわけです。

ここまで使えるカラダになってくると特別何かをしたわけではなくても運動効率が上がるので、驚くほど飛距離もアップします。

自由脊椎のような誰でも回せる部分の使い方を考えるのではなく、センスの無い選手では”凝り固まっていて使えない部分”を普段から意識して使えるようにする。これが上達のポイントですね。

◇◇◇ガクン、ガクンでは連動してるとはいえない◇◇◇

では、実際のスイングではどのような動きで肋骨を切っていけばいいのか?

よくある間違いが、上手く腰と肋骨が連動せず山と谷がハッキリしてしまう切り方をする動作。擬音でいうと「ガクン、ガクン」って感じ。

確かに、足裏、足首、膝、股関節、仙腸関節、腰、肋骨、肩甲骨・・・というように
下から順序良く切っていくのが運動効率を飛躍的に向上させるコツなんですが、それらを連動させるためにはパーツ間で動作と動作が途切れては意味がありません。

理想的にはほぼ同時か、気持ち先行するくらいを目安にしてください。グリップエンドより肋骨がわずかに先行する・・・が、確実に下から順序良く切っていく感覚。もちろん肩甲骨の柔軟性がカギを握ります。

これらを頭で考えても「ガクン、ガクン」になるのがオチですから
勝手にそのような動きが生まれるカラダをつくっていくのと、それらのリズムが取り易い打撃フォームへの改良(たとえば、いつでも始動できるトップの位置の模索&微調整)が現実的かなと私的には思います。

◇◇◇肋骨は横へのスライドと後方への引きがある◇◇◇

それから、どの方向へ肋骨を切っていくか?というのも重要です。

  • 投手側へ流れるように肋骨が横へズレるのか?
  • 腰を切る感じと同じように背中側へ引くのか?

これは選手個人の打撃フォームや癖などに依存するので何ともいえませんが大多数の選手の場合は、後者の感覚を優先すれば無難かなと思います。

というのも、やはりバッティングで体軸がスウェーするというのは、変則的なフォームで無いのであれば基本的にNGとしたほうがいいでしょう。

右半身で強く押し込むインパクトをしたいのであれば、左肋骨がルート上の妨げになるように居座るよりも、背中側へ引いて右肋骨の押し込むルートを確保してあげるほうがよりベターですからね。

顎を残すと上手く左が畳める

センス理論では活動初期の頃に「引きの極み」というメソッドを提唱したのですが、これが非常に誤解を招く動作でして・・・

実際に指導していた頃の情報ですので、グランドだと身振り手振りで伝わるのですがテキストでは上手く伝わらない部分でもありましたね。

これは簡単にいうと、肋骨をスイング動作に使いたい・・・けど、肋骨の上に乗ってるパーツが癒着してるほど凝り固まっているから、文字通り”解放させる”必要がある。

要は土台となっている肋骨の上に乗っかているパーツ達をフリーにしてあげると、肋骨も自由に動くようになるってこと。

そこで引きというメソッドが役に立つわけです。脇を開く運動をすると上半身がゆるみやすいため、肩・鎖・甲のパーツ群が肋骨から解放されやすいカラダになる。

したがって、『あの引き動作がスイング中に入るからフォームを変えろ』ってことではなく(インコースの厳しいボールをヘッドを返さずに捌く打ち方だと入ることもある)あくまで肋骨をフリーにするには、あの引き動作のように脇を開く動作を反復練習していると効果的ですよってだけです。

◇◇◇フォロースルーにかけて左腕を畳むのが基本◇◇◇

昔から基本の打撃フォームを教わるときは『左脇を絞めろ』がセオリーでしたが、これも凄く重要です。脇が開くことでヘッドが下がる動きが入りやすくなりますから、それを矯正するための指導ですよね。

ゴルフクラブのようにグリップ側に対して極端にヘッド側が重いわけではないので、そこまでガチガチに脇を絞めなくても構わないとは思いますが(ゴルフはボールが当たる面の裏側が重いので、左脇が甘いとヘッドが簡単に下がってしまい全然打てない)
それでもバットのヘッド側はグリップ側よりは重いので、右肩が落ちるほど左脇が開いてしまうのは問題です。

よく左腕を上手く畳むって表現されることがありますが、バッティングの場合はあの動きが理想でしょうね。
左腕を畳むことで、強く押し込んだ右腕が内旋して解放されていく。左腕は外旋、右腕は内旋。これがフォロースルーにかけての基本です。

◇◇◇左腕の外旋はアゴを残すと簡単にできる◇◇◇

たとえ両腕のローテーションが理解できても、左腕の外旋を意識的に行うと”手首をこねたスイング”になりやすいため注意が必要です。

特に小中学生に教える場合は内旋・外旋を言葉で教えるよりも、シンプルに『アゴを右肩に残せ』が有効かなと。

顎を残そうとすると頚反射が効きやすく自然と左腕が外旋しやすい状態になるため、結果的に左腕を畳むスイングになります。

似たような指導に『ボールを最後までみろ』がありますが、真面目な小学生は正直にしっかりとボールをみてしまいがち・・・。

目線だけ残して頚反射が効かない、ボールのガン見状態になってしまうケースが多い気がします。
そうなってしまう選手の場合は『ボールを最後までみろ』よりも『アゴを右肩に残せ』のほうが自然とヘッドも返ってきますのでぜひ試してみてください。

◇◇◇トップからインパクトでヘッドが落ちる場合◇◇◇

最後にちょっと余談です。

肋骨を先行させる練習をしていると、初期の頃にトップからインパクトまでのシーンでヘッドが極端に下がる選手が少なくありません。

これは様々な要因が考えられるため解決策も各選手たくさんあるかと思います。その1つにフィンガーグリップを採用すると解決するものがあります。

グリップの握り方はボールの握り方に比べると、そこまで細かく指導しているコーチはそれほど多くは無いかと思います。

私がお勧めしている元ジャイアンツの篠塚打撃コーチが監修しているバッティングスキルアップDVDでは、このフィンガーグリップとパームグリップを解説しています。

バットを振ることに慣れている人はどちらでも構わないのですが、特に小中学生の場合は親指と人差し指をグリップから離した持ち方をするとヘッドが下がりやすい傾向があります。

そういう選手は、フィンガーグリップでバットを握り、親指と人差し指で軽く輪っかを作ります。グリップ圧はそこまで強くなくて構いませんので軽く素振りをしてみてください。グリップが正しく握れていなかった選手なら、ヘッドが立つ感覚がつかめるかと思います。ぜひお試しください。

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