少年野球のお父さんコーチ必見!とある高校生のケーススタディを少々

メールNo.113 配信日2016/05/06

前回からの続きです。
春先スランプに陥っているバッターに
ぜひ試してもらいたい事というテーマで「足裏の意識」についてお話ししました。
今回も調整法に役立ちそうなテクニックを書いていきます。

スランプを脱出したとある高校生の話

前回配信はGW期間中だったこともあり
さっそく実戦で「足裏の意識」をやって試合で打てたという報告も受けましたよ。
このユーザーさんは
2年前からメール相談を行っている高校生なのですが
県内でもなかなか強い学校のようで、いわゆるガチ勢ですね。
ちょいちょい動画も送ってくれるので私も毎回楽しみにしているんですよ。

やっぱり強豪校ともなると
技術練習もフィジカルトレも凄いですからスイングに迫力があります。

彼は昨夏~秋にかけてブレイクした選手なので
今春も活躍してくれるだろうと監督さんの期待もかなり高かったみたいです。

監督さんにそれほど期待されるというのは
学生としては本当にうれしいことなんでしょうが、
逆にそれが彼のプレッシャーになってしまい春先スランプに・・・

『原因は何でしょう?』ってところを彼と一緒に探っていたというわけです。

スランプの原因は2つ??

彼が1年生のころから
axislabでアドバイスさせてもらったのは
一貫して「両肩甲骨のラインのスムーズなズレ」を繰り返し鍛錬すること。
それにプラスして大会に合わせるように
「股関節へ重心を乗せる動作」の精度を上げること。

この2つでスイングの質を上げていったわけです。

オフシーズン中にバットを振りこんだり
筋トレで体を大きくしたりなど、チームのノルマはこなしつつ
ゆる体操やセンストレで身体運動のレベルアップも行っていました。

んで、その結果が春先スランプ。
動画をみせてもらうとスイング動作がすごくいい。
むしろなんでこのスイングでそんな弱気なんだ?と。

色々探っていくうちに、どうも2つほどわかってきました。
1つは「ボール球に手を出してしまう」確率が高くなっているってこと。
もう1つは実戦でスイングしたときに「間がない」ってこと。

そこでやってもらったのが足裏の意識。
タイミングが合わないというのは
重心のコントロール、操作がしょぼいと
ボールが途端に見えにくくなったりしますので、そこを見直すこと。

前回のメルマガで解説した通り
足裏の意識をあんな感じで変えることで、
体重の乗せ方と体重移動のコントロールがすごくやりやすくなるんですよ。
両者がやりやすくなれば、それだけ準備に余裕ができる。ボールが見極めやすくなるってことです。

足裏の意識を鍛える応用練習とは?

ちなみにあれの応用練習としては、歩いたりジョギングなどがお勧め。

やり方は簡単で
体の正面は変えずに、斜め45度に移動していく。
つまり前を向いた状態で、
下記の画像を参考に重心を抜いていくといい感じにできます。
(※メルマガ限定リンク)

左斜め前に歩くなら、
赤丸の右踵で踏み込みながら青いゾーンは体重を抜いていく。
右斜め前ならその逆。

体は正面を向けたままですから
「欽ちゃん走り」で斜めに移動みたいな感じ。
ラダートレーニングにそんな感じの動きがあったかもしれませんが
ラダートレのように激しいリズムではなく、もっと適当。

歩くのは難しいってレベルなら・・・

  1. 軸足踵(上記画像で赤い○の部分)で地面を踏み込み、移動したい方向へ一歩足を踏み出す
  2. 踏み出した足の青いゾーンは体重を抜く
  3. 軸足を、踏み出した足のつま先付近に持ってくる

何メートルか進んだら今度は逆方向で行ってみてください。
ゆっくり行っていると、足裏の意識が濃くなってきて
重心をコントロールしようと指示する力と、重心が動く力が感じられてきます。
それがわかると前回の体重移動がより理解できるかと思います。

実際に取り組んだトレーニング法とは?

話を戻します。
という感じでボール球に手を出す率を下げるために
体重移動を足裏から変えていくということをしてもらったんですよ。

で、もう一つの「間がない」ってこと。
素振りでは気づきにくいですが、
実戦で変化球などを対処していくときに
ベストなスイングではなく、崩されたときのスイング(or自ら崩していったときのスイング)が悪い。

山と谷がないというか・・・
一緒になって体が回っちゃうから、上半身と下半身の「タメ」がないんです。

頭ではわかっていてもグリップが先に出てきてしまう。
だから、ゆったりの動作で素振りをするように伝えたんです。

構えからフィニッシュまで
ずーっとキャッチャーミットの位置を目で見続ける。
目でミットをみるようにスイングすれば
軸回転が極端に制限されますから、
利き手の突きもしにくく、左脇が開くとスイング自体が行いにくくなる。

下半身から回して、体幹主導のスイングをゆっくり行い
回転、突き、開きの可動域を意識してチェックさせたわけです。

ゆる体操を合間に入れながらこの動作チェックを行うと
いい具合に両肩甲骨のラインがズレて「タメ」の感覚が養えるんですよ。

こういった目でみながらトップを作る的な動作チェックは
難しいことがわからない小学生のほうが向いてるでしょうけど。

高校生でもやってることは同じなので
どうしても手が先に出てしまう場合は、
両肩甲骨のラインがゆるみで残るようにトレーニングしつつ、
実際に残る感覚を養う動作チェックを行うってのが王道です。

以上です。

普段からセンストレを行ってるユーザーさんなら
今回お話しした2つのヒントはかなり面白いと思いますので
ぜひご自分でアレンジしながら調整してみてください。

それから、高校生のケーススタディとして
具体的なアプローチの流れを紹介した形になりましたが
これは小学生を指導しているお父さんコーチにもタメになるかと。

もちろん小学生へ指導する場合は
難しいことなんて教える必要はないので
伝え方をちょっと変えなくてはいけませんが、それは別の機会にでも

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