野球観戦がもっと楽しくなる!保護者のためのセンス理論

いよいよ、小学生から高校生まで夏の大会の予選が各地でスタートしますね。追込みをかけているチームや万全のコンディションで挑むためバランスを整えるチーム、あにはからんや既に敗戦してしまったチームもあるでしょう。野球ファンにとっては毎年夏が近づくと各チームの緊張感という空気や雰囲気の変化が感じられ、ソワソワしてしまいますね(笑)

春の大会は秋からどれくらい選手の動きが成長したのかという部分で、また夏の大会はその春からどれくらい修正、変化したのかという見方も野球の楽しみの一つですよね。

そこで今回は『石川がお勧めする“ここに注目すると楽しい”というポイント』について、解説したいと思います。以下に挙げたポイントを保護者間の野球談議の中に織り込むと、「一目置かれる」存在になるかもしれませんね。さらに、今夏の甲子園大会やお子さんの試合を見る際のポイントチェックにもどうぞ!

構えた時の雰囲気を感じ取る

まず注目してもらいたいのは選手がバットを持っている時です。ベンチでバットを持ってネクストバッターズサークルへ移動するシーン~打席で構えスイングするまで。肩に乗せてただバットを持っている選手もいれば、グリップの位置などをチェックしている選手もいます。この時に何らかの動きで(動作は何でも構いません)ヘッドの重みを確認している仕草をしている選手は要チェックです。

その選手が打席に入ったらバットと上半身の動きをみてください。バットのヘッドを動かしながら、まるで肘や肩甲骨の準備運動をしているかのように、動かしていませんか?印象としては動きにどこか柔らかさを受けるのがベストです。

センスのある選手は打席に入ると打てそうな雰囲気を醸し出しますが、代表的な要因がこの肘や肩甲骨などの絶え間ない揺すりです。身体の奥を準備させる役目もありますが、バットの重心を身体に染み渡らせるように土台となる部分を揺すりながら丁寧に調整しているという役割もあります。バットの重心を身体で無意識に感じている打者はミートも上手いですし、バットへ効率よくエネルギーを伝える事も出来ますから、実はこのポイントを見抜くだけでも、ある程度その選手の「センスの力量」が分かるんですよ。

腰は落としすぎていないか?

ここも一瞬でわかりますから、グランドで気になる選手がいたらチェックしてみてください。膝が曲がりすぎて腰が落ちている選手はハッキリ言って良い動きはできません。野球では腰を落とすのが基本と言われていますが、根性論と現実の動きをごちゃ混ぜにしてはいけませんよ。膝を深く曲げ腰を落とすと、次の動作で必ず下から上へ重心を上げなければいけません。全ての動きにこれを行うと一歩目が必ず遅れるんですよ。何せ下から上へ重力に抗っているわけですからね。

イメージできない方はベルトはどうでしょうか?野球選手はベルトをしますが、このベルトの位置を基準にチェックするといいかもしれませんね。ベルトの位置が上下に激しく動く選手はあまり良い動きはできないんですよ。良い選手は必ず逆。ベルトの上下動が少ないはずです。野球の流れる動きというのは高重心から生まれているものですから、ベルトの上下動ひとつで動作全体の居着きの無さがある程度わかるわけです。

バッターを真横からみるなら軸足の膝に注目

バッティングでは軸足という重要なパーツがありますが、この軸足というのはセンスのあるバッターとそうでないバッターでは根本的に違うというのがハッキリ見て取れます。まず注目してもらいたいのは膝の外割れ。股関節と膝と足裏のラインをみてください。膝が外へ割れていませんか?割れているのならそれは軸足ではありません。軸足は脚に軸が通ることから軸足と呼ばれているのであり、脚の外側へ体重が乗ってしまっているでは意味がありません。

膝が割れているということは、ボールが来る方向とは逆に体重がかかるという意味ですから、運動性が失われますね。つまり、相手バッテリーに予測を裏切られやすいうえに対応しようとする動きも困難になるポジションという事です。これは小学生にも非常に多いので注意して観察してみてください。

ワンランク上のチェックポイント

軸足というキーワードが出てきましたが、もうちょっと難しいポイントも紹介しましょう。注目してもらいたいのは「踵」です。ノンステップ打法など体重移動をほとんどしないバッターの動きを見極めるのは難しいですが、しっかり軸の移動を行う選手なら短期間でわかってくるかと思います。

軸足に体重を乗せるシーンで、上記の膝が外へ割れていない選手だった場合で話を進めます。投手のピッチングモーション、たとえばリリースの瞬間なのかトップの位置なのかなど、どのタイミングで軸足の踵を踏み込んでいるのか?始動を上手にできる選手と下手な選手とでは全然踵の動きが違いますよ。さらにバックネット裏から見るなら力の入れる方向なんかもみれると、野球観戦がめっちゃ面白いんです。「あ、変化球にやられたな」というのが打つ前にわかったりもします。

どのタイミングで踏み込んだか、ボールの軌道に対してどの方向へ移動したか、踵の踏み込みの強度と粘りはどれくらいか?この3つを見抜ければバッテリーとの駆け引きなんかも今以上に感じたりもしますよ。

今回ご紹介したのはセンスの部分ですから、技術的にはどうかは知りません。センスの動きは出来ているのに技術が明らかに足りてないって選手もいますしね(笑)ただ野球選手の動作に注目しながら野球を観戦するというのは、またちょっと違った発見や面白さなどがありますから、今夏はぜひ選手のセンスに注目して楽しんでください。

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