最も効率的に野球センスを上げる秘訣とは?

今回のテーマは「センスの最も効率的な上げ方」です。私のセンス指導のスタイルを長々とお話ししています。先日、出張指導へ行ったあるチームの指導者の方から『石川さんは指導の時にいつも私服なんですか?ジャージとかは着ないんですか?』と質問されました。このチームは以前、私以外にもトレーナー関係の方や有名な指導者の方を招いていたらしく皆一様に動ける服装で来ていたそうです。

これは、セミナーや講演などでよく受ける質問なのですが… そうです。私は私服で指導するんですよ。普段、自分のためのトレーニングをする時はとうぜんジャージです。 動きやすいですし、基本的に私はゆるいので(笑)

無意識に通底している意識を逆に利用する

ではなぜ、わざわざ動きにくい服装で指導へ行くのでしょうか?

実はここにセンスアップの秘訣が隠されているんですよ。人間には無意識に通底している意識というものがありますよね。たとえば、 私が野球のユニフォームを着てバットを持って立っているとします。『今日野球を指導してくれる石川さんです』と紹介されたとします。どうでしょうか?

『あーこの人にバッティングを教わるのか~』というのが 無意識に存在すると思います。

では逆に服装は私服で、明らかに野球をやらなそうな感じで立ち 『今日野球を指導してくれる石川さんです』と紹介されたら… どうでしょうか?『ん!?この人野球できるのかよ?つーか野球なんだから最低でもジャージで来いよ』 と感じる方がいらっしゃると思います。

これが欲しいんですよ!『野球じゃないだろ』という感想がこちら側は欲しいんです。だって私が指導できるのは野球じゃないですもん(笑)センスアップ専門家ですから、指導するのは「野球技術」ではなく「野球センス」です。

動きをみて本質を見抜ける選手は稀である

さらにもう一つ。私が動きを見せても「おーすげー」で終わってしまうんですね。選手にみせたりしたら大変ですよ。みんな物まねしますから(笑)『石川がこう振っているんだからこう振るのか? グリップの位置はこうか?ややアッパー気味に振るのか? ここからここまで体重移動すればいいのか?』…こうなったらバッティングはアウトですね。

動画でプロのスイングをみて突きの深さや引きの柔らかさ肋骨系の引き動作、軸の操作性…見抜けますか?ムリですよね(笑)でも静止画像でみるとわかるんです。『おーメジャーの選手はこんな深く突いてるんだー!だから押し負けないんですね~。』ってなるんです。

だから、私は意図して私服で指導し一切動かないんです。センストレの正しいやり方だけ教えて終わりです。私が本当に伝えたい本質的なセンスという部分のみを野球技術どうこうではなく、シンプルに指導したいからなんですよ。だから野球技術と認識した時点でアウトなんです。

具体的な動きには専門的なスキルと本質的なセンスの両面がある

センスというのは専門的技術ではありません。 広義にみれば、日常生活で使っている動き、 その動きを生み出している身体のことです。つまり、 日常生活で送りバントはしますか?ということ!とうぜんしませんよね?

でも、お箸でご飯を食べているとき 必ずお箸の重心を感じ、どの方向に対してどれだけの力を加えれば落とさずに 口へ食べ物を持ってこれるか?という道具の扱い方という部分ではバントと共通の動きを無意識に行っているんです。

そうです。【重心感知能力】です。バントも同じですよ。 これが出来ないからどの方向に対してどれだけの力を加えると バットがどう動くかがわからないんです。さらに肩甲骨と肋骨のポジショニング。でたらめな位置にあり、固まって動かない身体だから 簡単にキャッチャーフライもあげちゃうし、 テーブルに食べ物を落とすんです。

これにも優劣があるのは当然ですね。 箸の使い方が上手な人もいれば、あまり上手ではない人もいます。もちろん箸にも「お箸の持ち方」という専門的技術が存在しますよね? いわゆるフォームですね。正しい箸の持ち方(技術)×重心感知能力(センス)ということです。

世の中にはスプーンのような箸の握り方をしているのに 落とさないで食べる人もいますし…(笑)

ですから、どうスイングするか?とかそういう専門的な技術ではなく こういった本質的な部分(センス)を鍛えてみてはどうですか?と言って いるだけなんですね。

センスと技術を別々に考えられる選手は上達する

部活のたかが数時間のみ行っている動きが、どんなに良くても 日常生活の動きに無駄があれば、絶対に大事な場面で身体は動いてくれません。追い込まれて何も考えられない場面でフッと出来る動きというのは 普段の身体がどれだけ優れたものなのか?へ繋がっているという事です。

だから、センストレは “野球からいち早く切り離せたヤツ”がグングン伸びるんですよ。

あまり上達しない選手はどうにかして、自分の技術と結び付けたがるんです。上手な選手は 『これ野球じゃないんッスか?じゃ今教えてもらった動きだけ 毎日やってればいいんですね。了解ッス!』ってなるんです(笑)動画でも言いましたよね?「相手をただただ打つこと」ここから離れてしまう事は 即ち勝負になっていないという事。だから何もいらないんです。 毎日練習していると野球技術の情報はとんどもなく多いですから混乱する。 そこへ私がさらに動きをみせてもしょうがないんです。

それに、私がどんなに良い打球を打ったからといって選手が 甲子園に行けるわけではないですからね。選手が主役で監督やコーチが脇役。 それらを無視して前に立ち、 あれこれ指導しても誰一人得はしないんです。

ですから、私の指導はこれくらいシンプルです。 でも、実は・・・・服装から徹底的に計算されているんですよ(笑)野球(技術)からいち早く切り離せるかどうか? これがセンスを効率よく上げる秘訣となります。

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