バットのヘッドが下がる・出てこない打者におススメな練習方法

バッティングのスイングを指導するにあたって、基本的な打撃フォームを一つ一つ教えていると、バットのヘッドがおかしなことになってしまうことがあります。小学生や中学生にこういう現象は多くみられますよね。正しいフォームを教えているのにヘッドが下がったり、上手く出てこなかったりなバッターには私のおススメな練習法を教えてあげるといいかもしれません。

おススメ練習メニュー

小学生にバッティングを教えるときに、多くのお父さんがそうしてると思いますが、私もまず昔から教わってきたフォームや指導の決まり文句をつかって打撃フォームの基礎を作らせます(ここは全国共通ですかね?)。その出来上がった基本的なスキルを元にして、この選手にはどういったセンストレを教えようかなーと考えながら、センスとスキルのバランスを整えていきます。

バットが軽く感じるまで振り込むは間違い

よく小学生のバッティング指導で見かけますが、ヘッドが出てこない選手に『お前はバットに振り回されているからヘッドが出てこないんだ!もっとリストを鍛えないとダメだ』…なんて強い口調で指導してしまうコーチがいらっしゃいますね。

この記事を読んでいる皆さんは、とても真面目な方達でしょうから『リストが弱いからヘッドが出てこないのか。じゃ手首の筋力強化を…』なんて真に受けてしまうかもしれませんね。誤解の無いように…少なくても小中学生の時点で、バッティングにおいて手首を鍛える事は全く必要ないです。これは断言できます。

末端部よりも体幹部がどうなっているかが重要

私は「バットの扱い方」という言葉をよく使いますが、これは小手先で操作している段階では身体で感じられる感覚ではありません。手首で操作する割合よりも、肩甲骨周りでバットを振れている選手、いわゆる「バット中心操が上手い選手」は、勝手にヘッドが素直に動いてくれます。

片手でバットをスイングすればわかりますが、小手先ではなく肩甲骨からバットに預けるようにスイングすると、バットは勝手に動いてくれます。これが上手く出来ないのなら、それは手首を中心に末端部分の意識が濃くて、逆に肩甲骨周辺の意識が薄いから。


小中学生が手首を鍛えてしまうと、このバットの扱い方が行いにくくなります。イメージ的には…ヘッドが出てこないから意識的に筋力をつけた。が、そのため意識が以前より濃くなり、小手先でバットを操作できてしまうがゆえに、バットが本来通りたい軌道を妨げてしまう…。

結果的に、こんどは「リストの返しが早い」「手首をこねたバッティング」になってしまった…なんてことになりかねません。

重いバットで振り込めばいいのでは?

マスコットバットでスイングして、バットの重さに振り回されないようにするという指導法も小中学生には必要ないでしょう。これも同じ。振り回されるというのと、私がいう「バットに従う」というのは全く違います。

バットの重み、重心ですね。これがしっかりと身体の感覚で掴んでいないと、最適なリラックスもインパクトのシーンでのジャストな力の入れ具合も満足にできません。重いバットでスイングするというのは筋力はつくかもしれませんが、重心を上手くコントロールするという、バッティングセンスに直結する研ぎ澄まされた繊細な感覚という部分が無様に肥大してきます。

小中学生は、まずバットの扱い方を身につけるというのが、何よりも大切ですね。

石川がお勧めする「バットの扱い方」3点セット

私が小中学生を指導する時に必ず教えている練習メニューを紹介します。

簡単にできるものばかりですから、練習中の空いた時間やバッティング練習中にちょこっと意識してみるって感じで取り入れてみてください。もちろん、わざわざ時間を割いて行うのも良いですよ。

いつでもどこでもバットの重みを感じ取る

まずは揺すること。とにかく徹底的に揺すってください。バットの重みを選手本人の身体で知らないと、いくらイメージを教えてもバッティングは始まりません。自宅でもバットがあればできますし、部活中なら練習の合間に何気なく揺することもできますよね。気づいたら無意識にバット持っていて揺すってた…それくらいいけば完璧ですw

二本のバットを使って小手先操作から抜け出す

バット中心操が上手に揺すれるようになってきたら、バットを二本使って行ってみましょう。どう動かそうかと頭で考えてしまいますが、「バットに素直に従おう。バットの重みに抗わず、肩甲骨周辺からズシッという感じでバットに預けなきゃ」というように、しっかり自分に言い聞かせて行ってください。

バットを2本で行う方法

揺する方向等は自分で調整しながら、最終的にはどこにバットをポジショニングしても安定して揺すれるようにしてください。

バットヘッドを上手に扱うまとめ

バットを振るという部分ではなく、バットを扱うという部分をここまで徹底して行ってみると、バッティングというのは1ランクも2ランクもあがってきますよ。

一生懸命練習しているのに、どうしても バットのヘッドが変に下がってしまったり、スッと出てこなかったりというバッターは、小手先のスイングに走ってはいけません。じっくり腰を据えて、バットの扱い方の悪い(力みで上手く揺すれない)部分を根本的に洗い出して、勝手に良いスイングになっていたというルートを選択してみてください。

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