これだけはやっておきたい!ヒットを打つための6つの動作

いよいよ関東地方も梅雨入りとなりました。 このところぐずついた天気が続いておりますが、屋内での練習が多くなっていませんか?梅雨が明けたら夏の大会が始まりますので、オーバーワークのできないこの時期は大事にしたいところですね。

さて、今回は当サイトでご紹介している「バットスイング理論」の確認をザッと行ってみましょう。

6つの極意と称して流れを掲載していますが、どれか一つでもコツを掴めるとこれまでのバッティングがガラリと変わってきます。センスを上げる事は簡単ではありませんが知識としてしっかり頭に入れて、どんどんチャレンジしてみてください。

バット中心操は理論と実戦のギャップを考えろ!

これは私が提唱する「センス理論」と「センストレーニング」のすべてに共通していえますが、実際に試合で行う動きというのはある一つの要素が問われるのではなく、あくまで統合的なものが問われます。したがって要素主義な考えでは結果は残せません。バット中心操の場合は、どうしてもバットの軌道そのものを真っ先に真似してしまいますが、これをやってはいけませんよ。軌道を考えてしまった瞬間、スランプから抜け出せなくなりますからね。

世の中には数多くのバッティングフォームの理論が存在しますが、大半はスキルの理論であり、センスの部分は含めていません。軌道についても提唱している理論もあるでしょう。しかし、バッティングにはスキルとセンスのバランスが整ってはじめて意味があります。軌道というのはバッティングフォームとセンスがリンクした結果であるべきだと思っています。ここを間違えると動きがすべて偽りになり、本来あるべきはずのパフォーマンスは半分も発揮されません。

軌道そのものではなく「バットの重みを感じ、素直に従う事」「重みを感じるには、まず自分から変えていく必要がある」こいうことを考えてください。自ずとバットはあたかも意思があるかのように、通りたいルートを通ってくれます。本物のバットの軌道は顕在意識で考えているルートではなく、潜在意識で創られるもの。ここは注意してくださいね。

引きと押しは確実性とパワーを共存させる!

バッティングという動作は、バットを手で握って動いているボールを打つわけですから、上半身の高度な動きが求められます。引き手と押し手の重要性は昔から、チームの技術指導でもいわれてきましたが、どうしても「脇を締める」という指導がメインになっていますので、ここも注意が必要ですね。私はよくバットのリーチを目一杯使う事はバッティングにおいて不利になるということを言いますが、「脇を締めてインサイドアウトで、コンパクトに大振りをしないで・・・」という点も同じでしょう。ですが、バッティングは確実性とパワーを共存させなくては勝負になりません。

学童野球でプレーしていた当時の私は、絶対に、どんな球でも、空振りをしない自信がありました。自分でいうのも何ですが、周辺視と動体視力が優れていたのだと思います。しかし、すべて内野ゴロかキャッチャーフライ。上記のセオリー通りのバッティングフォームを基本に忠実に体現していたので打撃スキルは抜群でしたよ。なんてったって主将を任されるほどくっそ真面目でしたからね(笑)でも残念ながらヒットを打つにはパワーが足りませんでした。ここでいうパワーとは、外野の前まで打球を飛ばすための必要最低限の出力を、身体からバット。バットからボールへと伝えることを意味します。

今の私が当時の自分を指導するなら、真っ先に脇の締め込みを注意するでしょう。「それ飛ばないぞ」と(笑)具体的には引きと押しのバランスを取りながら、肩甲胸郭関節のスライドをトレーニングさせて「深い突き」を打たせる。引きは胸側の肋骨と肘の外側を柔らかく使えるようにさせて、無料動画「ホームランの打ち方」で紹介しているストバスで身体の奥からスイングする事を覚えてもらう・・・。そうすれば、絶対もっと打てたのになぁと思う今日この頃です(笑)

困ったらとりあえず股関節を調整せよ!

このブログを読んでくれている学生選手はどれくらい技術力があるのでしょうか?私にメール相談をしてくれる選手たちは、その文面から憶測すると結構高いレベルでプレーしている方が多くて正直びっくりしているんですが・・・。というのも、いま現在はスランプで打てていなくても、「技術」が高ければ高いほど、センスを上げると試合で結果を残しやすいんですよ。技術優位な選手に私は「野球ができるね」や「振れるね」と表現していますが、ようはある程度チーム平均のスイングをしているということですね。

こういう選手はすでにヒットを打てる段階にあるので指導が簡単なんです。スイング理論では6つの極意と称してわかりやすいようにまとめていますが、すべて完璧に出来なければヒットは打てないのかというと、そうではありません。あくまでも技術とセンスのバランスが大事ですから。すでに技術があれば、補正するように足りない部分をセンスで補うと結果は残ります。

代表的なのがこの軸足の股関節!タイミング系の動作ですから、これをトレーニングしてくれれば持ち前の技術が活きてくるんです。タイミングさえ合えばなぁって思っている選手も多いと思うんですよ。そんな選手は夏に向けて「軸足に体軸を乗せる事」「体軸を軸足の踵を使って操作する事」の2点をお勧めします。具体的な動作はお教えできませんが、それができればヒットは打てますよ。技術があればですがね。技術が無い選手はもっと努力してください(笑)

どんなに優れた手腕部の器用さを持っていても、陶芸の技術がなければ作品は完成しません。同じようにどんなに優れたセンスを持っていても、「野球ができなきゃ」話になりません。基本的な部分ですが誤解する方が多いので気を付けてくださいね。センスだけでは打てません。技術だけでも打てません。お互いがバランスをとって始めてヒットいう作品が生まれるんですよ!

肋骨というターボブースト

ちょっとうまい事?いってしまいましたが、次は肋骨の切り動作です。これは正直言って完璧にできる選手はいないのではないかと私は密かに思っています。どうしても自由脊椎である腰の回転の方が意識としても、実際の操作性としても上回ってしまいますし「腰で回転して打て」という指導も行われていますからね。そういう中で「僕は腰の回転のしやすさと同じ感覚で肋骨を回転できます」って選手は、まずいないでしょう(笑)

バッティングのスイングで肋骨を使うといわれても、普段は能動的に動かす機会はないでしょうからイメージがしづらいでしょうが、センスのある選手の肋骨は腰の自由度に近い自由性と柔らかさがあります。こういう柔らかさは一般のストレッチやスポーツテストで行われる柔軟性とは違う柔らかさですから、2、3歳児の柔らかさをイメージするといいでしょう。

肋骨の間の肋間筋が固まっていない柔らかく機能する状態を大人になっても保ち続けるのがベストなのですが、残念ながら不可能に近いでしょうね。やはりストレスですぐに固くなりますから・・・。肋骨系のセンストレーニングは、狙ってこの肋骨の動きを柔らかくし、まるで腰の回転をしているかのような状態まで持っていくことを目的にしています。ロングティーでも単純に思いっきり腰の回転をすると打球は飛びますよね?では、腰ともう一つ肋骨というターボブーストを同時に使用できたら・・・。使えていない場合と比べて打球が飛ぶのは想像できるかと思います。腰が2つもあるのですから・・・。肋骨系のセンストレを行うと飛距離が伸びるのはこんな感じの流れです。

確実性を上げるならその場で固定する軸は不向き

最後は体軸の操作です。少年野球の技術指導では「その場で頭を動かさずに回転するようにスイングしなさい」という指導が行われていますがこれも注意が必要です。確実性を増すためにガシっと固定してなるべくその場から動かずにすることで、目線がブレないということでしょうが、そもそもこれが間違いです。

野球は投手が投げるボールと打者のフィードフォワード(動きを予測すること)は違う場合がほとんどなわけですから、予測を裏切られたときにどう反応するかというのが重要になってくるんです。予測通りに打てているなら、それは格下の投手が相手の場合のみですからね。固定しない体軸のイメージは難しいのですが、たとえば電車。

不規則な揺れに対して、その場から頭の位置を動かないように踏ん張るのと、揺れに対してすぐに反応できるようにリラックスして立つのとではどっちが転ばないでしょうか?答えは後者です。(もちろん混んでいる車内で行わないでくださいね。非常に危ないですし迷惑がかかりますから。)この場合「運動性」と「安定性」を共存させることが不測の事態に対処できるわけです。

つまり、踏ん張れば「安定するが、予測を超えた揺れには対処できない」ということ。逆に「揺れに対して踏ん張らずに自分も揺れている」状態ですと「運動性」が失われていないのでとっさの揺れに対処しやすくなります。守備で一歩目が大事だから常に動いておけというのがそれですね。バッティングでも同じで、「その場で固定しているようにみえる打ち方」はセンスの面からも難易度が高いのでお勧めできませんね。じつは体軸は動かした方が確実性は上がるんですよ。

バットの扱い方をお勧めします

とまぁザッと解説しましたが、後半の2つは難易度が高いのでスルーして構いません。こういうのもあるんだくらいで結構です(笑)冒頭でも触れましたが、6つの内どれか1つでもコツを掴んでしまえば景色は変わりますからね。最初からすべてを行うのは考えなくていいです。

私が指導するときにこの6つの中でも特に選手へオススメしているのが、1つめのバット中心操です。バットの重みを知ることは芯に狙って当てる能力に直結しますし、道具の扱い方という点からも正しい技術的フォームを引き出してくれますからね。ぜひ行ってみてください。それから、技術が高い選手は夏までに軸足をトレーニングするといいですよ。脚の外側に乗っていると本当に打てなくなりますから、早急にスランプから抜け出せるようにすぐにでも調整してみてください。具体的なトレーニング法はセンストレーニングで公開していますのでそちらを参考にしていただければと思います。長くなってしまいましたが今回はここまで。

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