球速が上がらない誤った指導とは?手順がわかれば投手育成も怖くない!!

メールNo.110 配信日2016/04/15

今回の公式メルマガは
前回のピッチングネタからの続きを配信します。

テイクバックとトップのしなりの創り方

私の「ぐにゃぐにゃキャッチボール」のような動きを
普段のアップ時にいれておけば
本番で投げるときの「ガチのフォームに役立つ」というのが狙いなのですが
皆が皆、最初からあの動きができるとはさすがに私も思ってません。

段階を経て、全身を揺すったキャッチボールへたどり着いてもらいたいわけです。
そういった意味も込めてリリースしたのが「肘肩シリーズ」のメソッド。
この動画シリーズも前回配信で解説した
「クランク」と「しなり」を理解してから取り組むと非常に効果が高いものになっています。

肩肘シリーズだと、テイクバックを解説している回の動画は
ぐにゃぐにゃキャッチボールの登竜門としてお勧めです。
メルマガ用解説ページ

このテイクバックのメソッドのコツは
いくつかのゆる体操を組み合わせながら、
「肩甲骨から指先までをゆるめていくことに慣れる」ということです。

実際に選手へ指導する場合の流れ

たとえば、私が少年野球で小学生を指導するなら

  • 手首プラプラ
  • 肘クルン
  • 肩ユッタリ回し
  • 肩こりギュードサー

ここらへんを上手く取り入れてこのメソッドを練習させます。

まずボールを持たないで肘の動きだけ行う。
次に上記のゆる体操を入れながらボールを持つ。
ボールを握ると力むので、手首・肘・上腕・肩関節・肩甲骨という順に
もっともっと力を抜くように揺することを誘導する。

プロの投手がリリースの瞬間までは
「水のように力を抜く」と例えてましたが、まさにそれくらい。
んで、いざボールを投げるとまた力むわけです。
そこですかさずゆる体操を合間に入れる。

こうやって上手く誘導しながら
調整するようにリズムよくボールを投げさせる。
すると面白いように球威が増すのですから、
やっぱ子供の柔らかさってすげーなとみなさんも感心するはず。

筋トレなどでパワーやスピードを鍛えたってわけじゃないので
「本来できるはずなのに使えていない部分を呼び覚ました」って感覚がイメージしやすいかも。

これをお父さんお母さんがやれば完全にお子さんの専属投手コーチですねw
「クランク構造のフォーム」はチームの投手コーチや監督に教わって
そこそこちゃんと投げられるようになったら、
「流体構造としてのしなり」を教えてやれば完璧ですよ。

投動作の奥義は脊椎動物の根幹にアリ!

私が自身の身体を使って実証していたときに
現象としてもっとも衝撃を受けたパーツがあります。
具体的な数字でいうと
球速が110キロ程度から130後半まで上がったこと。

そんな奥義ともいえるパーツ・・・
みなさんどこだと思いますか?

こたえは、背骨。

この背骨をですね
脊椎動物が有する「駆動体として機能させる能力」をひたすら高めたんですよ。
野球で背骨なんていっても腰を回転させる程度の認識でしょ?

そういう人はまず
野生の脊椎動物の動画をyoutubeで探していただければ一発でわかる。

我々人間が何か運動をする際、
彼らと比べて明らかに体幹部が箱のように固いってことがね。
チーターのようなネコ科でもいいですし、わたしのお勧めのイタチでもいいです。

肋骨の形状からして
縦の波動・横の波動を得意にする種族がそれぞれいますが
まぁ、ぐにゃぐにゃですよw

メダリストクラスなら背骨くらい簡単に動かせる?!

その背骨の波動を原動力に手足へパワーを伝えることで、とんでもない動きをしてるってこと。
こいつを同じ脊椎動物の人間でも行えるわけです。

『背骨を駆動体として運動に生かすなんてそんな馬鹿な』って人が大半でしょうけど
じつは『まぁ、でしょうね』って事実もある。

昔、筋肉番付という番組で
プロ野球選手を圧倒した超人ハンマー投げの室伏広治氏は
脊椎1つ1つを自分の意志で前後左右にずらせるんですよ。

さらにaxislabが推奨している「ゆる体操」の考案者である高岡氏は
脊椎1つ1つにプラスして肋骨1本1本も自由に動かせる。

なので・・・
私も背骨系のゆるをひたすらやりましたよ。
『死ぬまでに、俺はあと何回背骨を揺すれるのだろう』と自問自答するレベルでね。

腰の回転だけでは見えてこない世界

すると、1年も経つとさすが脊椎動物であるヒト…というべきか
すべての脊椎を1個1個自由に、とまではいかないですけど
明らかにぐにゃぐにゃに、他の選手じゃまず動かない部分まで揺すれるようになるんです。

あまりにも身体が固い人はイメージしにくいと思いますが
ヘルニアなどで故障していなければ、
多くの人は「お腹の部分の腰椎」は比較的自由に捻ることはできますよね?
その感じを、両肩甲骨の間の胸椎でも同じように行えるというイメージ。

『全力でボールに腰をぶつけるように回転させろ』ってのは
よく昔からいわれる野球の基本じゃないですか?
それが腰だけじゃなく、脊椎の上部も、さらには「肋骨全部」も同じようにできるわけです。

単純に考えても、同一選手が腰しか回せない場合と比べると
胸椎も肋骨も腰と同じように動かせるのとでは
「パワー」も「スピード」も「キレ」も圧倒的に差が出る。

筋トレのような身体に負荷をかける類のトレーニングではなく、
「脊椎動物として眠っている機能を呼び覚ます作業」を行うので
誰でも、どのレベルの選手でもすぐにできるってのもポイントですよね。

もちろんそういった身体で筋トレをガンガン行えば、
自ずとその上のレベルでも通用するでしょう。

ピッチングやスローイングにどう反映させていくのか?

計画的に背骨や肋骨のゆるを中心に行っていれば
多くの場合、ある程度は自由に脊椎も動くようになるのですが
そこから生み出される背骨の波動を効率よくボールへ伝えるのが、これまた難しい。

この部分で私が試したのが
「ぐにゃぐにゃキャッチボール」と「背骨の波動を使った遠投&ピッチング」

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「腕で投げる」という感覚を捨て、
「体幹主導でボールが放たれる」という感覚を養うんです。

こういった練習をするときは
クランク構造のフォームは一旦忘れて、
流体構造としての「しなりのみを考える」と上手くいきます。

すぐガチのフォームに結び付けると失敗しますので
『これはたんなる遊び、腕を極力使わず気持ちよくボールを投げよう』って意識で練習するのがお勧め。
背骨の波動が上手くボールに伝わるように、無駄なものを省くという感覚ですね。

何度も言いますが
これで試合を行えといってるわけではないです。
こういった投げ方は
クランク構造のフォームを練習しているわけではないというのをお忘れなく。

今回はここまで。
次回もピッチングネタの続きを配信します。
かなりディープなテーマになってくので
ライト層の人はきついかもしれませんが
時間があるときにコーヒーでも飲みながら読み返してみてください。

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