野球がうまい人は字もうまい⁉「文字を書く動作」と「野球動作」の意外な関係とは

メールNo.108 配信日2016/04/11

1週間ぶりになってしまいましたが
今回も引き続き「ちょいテクシリーズ」をお届けします。

3つ目のネタ「文字を書くだけでわかるパフォーマンスの優劣」について
日常生活でぜひ皆さんに試してもらいたいことがあるので、いくつか書いていきます。

これは、はじめに断っておかなければいけませんね。
わたしは・・・・字が汚いです(T_T)

学生時代はろくに勉強せず、
一般的な学生と比較しても圧倒的に文字を書く機会が少ないまま
PCでのタイピングを・・・って感じなので、とても人さまにお見せできるものではないです。

なので「美文字を教える」とかそういう類のテーマではなく
あくまで野球のパフォーマンス向上に役立つかもしれないちょいテクって話を書いていきます。
学生諸君も学校や自宅でチャレンジしてみてください。

『たくさん書けば字は上手くなる』は間違いなのか?

さて、本題に入っていきます。
そもそも「文字をきれいに」って意識は学生よりも
パパさんママさんのほうが字にコンプレックスをもっていたりで
「今年こそは・・・美文字へ」みたいにチャレンジしたorしている人もいるかもしれませんね。

書道の先生によっては
「何万字って練習しないと上手くならない」って人もいれば、
「そんなに練習しなくたって、ポイントを押さえれば字なんてすぐにうまくなる」って人もいますよね。

市販のペン字お手本テキストなんかでは
後者の短期間で上手くなるってタイトルが多いですがw

どちらが正しいのかっていうと
これ、「字を書く運動」として見た場合どちらも正しいんですよ。
野球と同じように「技術的な部分」と「身体運動の本質力の部分」を分けて考えるんです。

野球のパフォーマンス向上には
「技術」×「センス」のバランスが大切であると私は常々言ってますけど
「美文字」というジャンルも「テクニック」×「本質力」のバランスというように
野球と同じような考え方だと、文字を書くってことが中々に面白くなってきますよ。

「文字を書く」というのは身体運動としてとらえる

たとえばテクニック面でいうと
「姿勢」と「ペンの持ち方」の2つがよく取り上げられています。

正しい姿勢動画 (青山浩之監修)
正しいペンの持ち方動画 (青山浩之監修)

「姿勢を正して文字を書きなさい」というのが結構難しくて
テクニックだけを追うと余計書きにくくなる。

文字を書かなければいけないシーンは様々で
椅子に座って背筋をピンと張って肘は直角で…
というように常に正規のポジションで文字を書けるわけではないですから
身体運動の面からみると、あまりそこ自体は問題ではないんですよ。

状況場面によっては
立ちながら書かなければいけないことなんていくらでもありますしね。

では、なぜこの正しい姿勢が基本になるのかというと
ズバリ「軸の形成」「ベストの使用」。
ゆる体操の高岡氏の概念でいうセンターとベストのことです。
詳しく勉強したい人はこちらの書籍がお勧め。
⇒【参考書籍】センター・体軸・正中線―自分の中の天才を呼びさます

この軸を基準に、正面をつくり、
ベストラインが出来上がることで
ちょうどベストラインと起筆の位置がピタッと一致するわけです。

【画像】正しい姿勢にセンターとベストラインを書いた図
(※メルマガ限定リンク)

長時間、筆圧強めで文字を書き続けると
僧帽筋がどんどん過緊張してしまい肩が無意識にあがってしまいますよね?
そういう時に、このセンターとベストラインを確認しなおして
スッとペンを紙に置くと面白いように肩の力みが抜けます。

「正しい姿勢」で練習するメリットとは?

前述の青山先生の正しいペンの持ち方の動画内で
「手首を固定する」ってテクニックがありますよね?

ペンをつまんだ3本の指は、
とめ・はね・はらいや縦画・横画で
それぞれアクセル・ブレーキ・ハンドルという役割を担います。

この役割を流動的に変化させることでペンを自由に操作するのですが、
その操作の基準点となるよう手首を安定させる必要があるわけです。

それで、この手首の固定法なんですが
グッと力を入れてしまうと固定は簡単なんですが、ペンの自由な動きが制限されてしまいます。
逆にゆるすぎると基準点があやふやになるので線が安定しない。

そこで、この部分に「正しい姿勢」が影響してくるんですよ。

前述のベストという概念!

直角に曲げてる肘が重みをもってストーンと落ちる。
僧帽筋を固定支点にして筆圧強めで書くのとは対極に、
ベストによって肩がストーンと下がることで
その脱力して落ちた「重み」をそのまま手首の固定に使えるわけです。

そうすると、指や手がすごくリラックスしているのに
手首は重みで固定されているという、なんとも気持ちのいいポジションが出来上がります。

センターで軸ができれば、ベストラインが安定する。
ペンの置くポジションが決まり、肩の過緊張が消え、手首も重みによって安定する。
結果的に指は自由に曲げ伸ばしができるって感じです。

センター+ベストを野球に役立てよう!

ペンの持ち方でも、3本の指でつまむテクニックがありますが
これも野球と同じで、どれくらいの力加減で持つのかなどの「質感」の問題でパフォーマンスがえらく左右します。
(野球だとバットやボールといった手と道具の関係性ですね)

が、長くなってしまうのでこれは切りますw

最後に野球に役立てようって話。
文字を書くことなんて、野球のダイナミックな動きに比べたら
パワー・スピード・コントロールともに劣るでしょうけど
センター+ベストでペンを上手く扱うなんていう構造はやっぱり野球も同じですよ。

たとえば打席に立ったら、まずその場で軽く上下に弾みセンターを意識する。
次に「肩ユッタリ回し体操」を行いながら
捕手側のベストライン上にグリップを持ってくる

このとき手とグリップをにぎにぎしながらバットを揺らすのもいいでしょう。
構えに入る前の、ちょっとした準備運動くらいのつもりで取り入れてみてください。
慣れれば3-5秒もあればルーティン完了です。
【動画】肩ユッタリ回し体操のやり方

ピッチングだと「センター、ベスト、重み、落とす」のコンボは
球威がグンっと増しますので「力み癖」o「rぎこちないフォーム」で悩んでいる選手にはお勧め。
【究極のセンスアップサイト】でも
ピッチングでこのテーマを扱ってますのでぜひ参考にしてみてください。

今回のテーマは日常生活でのちょいテクなので
パパさんママさんは美文字練習の飽き防止に
「文字を書くとを身体運動として捉える」ことを試してみてくださいね。

それから学生諸君!ちゃんと宿題はしておくんやでぇ(^^)
文字を書くのは勉強で嫌々やるんじゃなく
身体運動として精度を上げるためにやるってのがポイント!

たかが鉛筆1つ持っただけでも
「正しい持ち方の動画」でもあるように、3本でつまむように持てば
鉛筆の中心をとらえ、重心を感じ、鉛筆が行きたい方向へ力を加える・・・
こういう工夫をするように意識する。たちまち野球のトレーニングに早変わりですからね。

バットもボールも鉛筆も
「道具の中心をとらえ、道具の重心を理解し、道具の持つ性質に従う」
これらは自分の手で高度な操作をする以上決して避けることはできません。

普段から軸とベストラインを意識して文字を書けば、きっと野球の動作にも役立ちますよ。

ちなみに冒頭でもいいましたがいくらペンの扱いに長けていても
字を書く機会が皆無ですと
パフォーマンス=技術×センスのバランスが崩れますので
字が劇的にうまくなるってことはありません。

逆に、まぁまぁ普通に数だけは書いてきたって人は
動作を変えると・・・たぶん字を書くことがこれまでになく面白いと感じるかとおもいます。

「やはり文字も野球も練習をたくさんしないと始まらない」ってことを確認したとこで終わりましょう。

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