強い打球を打つなら必須!少年野球で教えておくべき体幹の使い方とは?

メールNo.144 配信日2016/12/20

公式メルマガでは
シリーズ「機は熟した!俺流センス指導の大原則」をお届けしておりますが
今回は【バッティング(フェーズ1)】部分の体幹の使い方となります。

競技未経験のパパママでも実践できるようにまとめていますので、
【究極のセンスアップサイト】で紹介しているセンストレの活用法なども
これらを読めばイメージは十分につかめると思います。

春先でライバルに差をつけるためにぜひ併せてチャレンジしてみてください!

バッティング(フェーズ1)

バッティングのフェーズ1は以下の3つ。

  • 肋骨から爆発的なパワーを生み出す
  • センター返しで肩甲骨を押し込む
  • 軸足へしっかり体重を乗せ切る

まずは『力強い打球、ボールを遠くへ飛ばそうぜ』っていうのがフェーズ1。
したがって、いきなりティーバッティングで構いません。
小学生への指導はとにかく飽きさせないこと、
打つことや投げることに夢中にさせることがポイントなので
グランドで練習できるのであれば、むしろロングティーでもいいくらいです。

脊椎動物であるなら使わなきゃ損!

肋骨が生み出す巨大なパワーを野球に使いたいというのは
以前からいろんなところで書いていますね。
脊椎動物である我々の「体幹の力」は
本質的には「脊柱」と「肋骨」の使用比率や付近の筋力の優劣によって決まります。

そして、背骨と肋骨を持つヒトが
それらをフルに身体運動で使えるようにと努力すれば
飛躍的にパフォーマンスが向上する可能性がある。
これらは脊椎動物が有する本来の機能であり、ヒトは手足の発達によって失いつつある機能でもあります。

簡単にいっちゃえば
手でバットを握って繊細に操作できることによって
大草原で暮らすネコ科の動物のように
ダイナミックな体幹部の運動を捨てたということ。

だから、その手足の繊細なコントロールに
野生の脊椎動物が使う「体幹部のダイナミックな動きをリンクさせる」わけです。
これが数パーセントでもできるのがセンスのある選手です。
つまり、他の選手が動きもしないような部分を
野球の動作中に動かせているわけですから
仮に技術が同じレベルであれば太刀打ちできない。

バッティングは腰のキレも大切だが・・・

結論からいうと、バッティングの場合は
「腰と同じような感覚で体幹を切る」ことができるようになったら
明らかに結果が変わってくるのが自他共に実感できます。

『腰をボールにぶつけるようにスイングしろ』
『玉(急所でございます)を腿でつぶすように意識するんだ』

昔から腰のキレについてはいろいろ教えがあったとおもうのですが
こういう”パッと腰を切る動作の感覚を肋骨部分でもできるようにする”のが指導目標です。

腰の回転も

  • インコースのボールを引っ張る
  • アウトコースのボールを流す

上記2つの動作は異なりますよね?
内側のボールはかなり大胆に腰を切っても大丈夫でしょうけど
外寄りのボールは動作をギリギリまで我慢して
少ない動作幅で切っていかないと「開き」に繋がってしまいますから。

肋骨もまったく同じです。
どれくらい肋骨を回せばいいのか?という「切り幅」の問題ではなく、
状況に応じて適切かつ自在に鋭く切れるのか?って部分がスイング動作に欲しい。

肋骨が使えれば強い打球が飛ぶ

とはいえ、初めからそんな自由に操作できるほど甘くないのが体幹部(肋骨・背骨)。
トレーニング初期の頃は大胆に肋骨を切ってもらって構いません。

私的指導ポイントとなるのが

  • 肩甲骨や脇など周辺パーツの解放
  • 小手先の力みを極端に制限

たったこの2つです。

1つめ

肋骨をフリーにさせるためには、
上に乗っているパーツから攻めるのが有効であるってこと。
【究極のセンスアップサイト】では
脇を解放したり肩甲骨内側を刺激するセンストレ動画を掲載していますが
あれは脇や胸骨、鎖骨などのパーツを上手く操作して、
それらのパーツ間の筋肉の癒着をゆるめることが目的です。

そうすることで土台となる肋骨がゆるめやすくなり
スイング動作中に腰と同じような感覚で体幹部まで使えるようになるという流れ。

2つめ

1つめの土台を動かしていく方向とは異なり
手腕部の動きを制限することで「体幹を使わざるを得ない状況」を作り出すこと。

たとえば、子供たちに人気のストバス。
これはバットを振るという感覚ではなく
小手先の操作を制限することで
「体幹の力のみでボールを運ぶ感覚」を養うセンストレです。

「肋骨の解放」「小手先排除」この2つを選手へ徹底させると
肋骨が上手に使えるようになり強い打球が飛ぶようになります。

具体的なトレーニングメニュー

肋骨系を指導する場合は技術的な部分を細かく問うことなく、
思いっきり体幹を使ってダイナミックな動作をしてもらう。これが軸になります。
高い技術レベルをさほど必要としない
ティーバッティングやロングティーなんかで気持ちよく打ち込んで構いません。
※投手が投げるボールだと上手くミートできない選手もいるため

小手先のパワーに頼った打球と
肋骨を刺激した後の打球とで、それらの違いが自他ともにわかるようにすると
それだけでもモチベーションアップにもなりますし、打球が異なれば子供たちも飽きもきませんからね。

【主な肋骨系メニュー】

  1. 脇や胸鎖関節の解放系センストレ
  2. 肩甲骨のゆる体操
  3. 肋骨の引き動作
  4. ストバス

≪1≫ボールを打ちながら合間に動作チェックするような形で
脇、鎖骨、肩関節、肩甲骨の解放系センストレを入れてみてください。
やり方は【究極のセンスアップサイト】で紹介している肩回り系が有効です。
究極のセンスアップサイトの紹介ページはこちら

≪2≫肩甲骨が肋骨にへばりついている状態ですと
体幹部がスイング動作に生きてきませんので、ここは入念にモゾモゾするのがおすすめ。
やり方はこちらの鹿屋体育大学の動画を参考に。
肩甲骨内側のゆる体操はこちら
※はじめはゆったりやるほうがいい

≪3≫打球を飛ばすためには腰のキレ同様、肋骨のキレも欲しいところですが
なかなか意識しにくいのが肋骨部分。そこで指導者側が上手く切るルートを誘導する。
やり方はいくつかありますが、もっとも簡単なのは実際に肋骨を触って引いてあげる。

たとえば・・・
右打者の場合なら選手の背中側に立ち
左の脇に指導者の腕を挟むようにセットする。
バットは持たなくていいのでその場でスイング動作をゆっくり再現させる。
体重移動⇒ステップ足着地後、トップの位置からインパクトシーンへ移行するタイミング(振り出しの瞬間)で
指導者は選手の脇に挟んである腕を自分の方へ引いてあげる。

そうすると「腰を切って」「肋骨が切れて」「トップの位置が遅れて出てくる」感覚がつかめるかと思います。
体幹主導で腕が従属する感覚がつかめれば
こちらの動画で解説している掴まれた腕がスルスル抜ける現象が起こるはずです

≪4≫3の腰⇒肋骨⇒肩甲骨内側の連動がわかったら、
今度は腕の動きを制御したストバスでやってみる。
バントよりは長くバットを持って構いませんが、投手側の脇は絞めてください。
左腕を胸につける感じで脇を絞めて構えると
小手先でスイング動作が難しくなるため肋骨のキレが自然と出てきます。

ストバスはバットの長さによって、飛距離の基準はいろいろあると思いますが
小学生でショートの頭を超えるくらいの打球が飛んだら大したものです。
ストバスのやり方はこちら

言葉で説明するとどうしても難しくなってしまいますが
指導者側が覚えておくことをまとめますと、肋骨系の指導イメージとしては・・・
脇と肩甲骨は開いて揺すってモゾモゾ。
肋骨を後ろに引いてやれば、ストバスで飛距離を競うゲームが熱くなる!!みたいな感じです
かなり白熱するので年末年始の自主トレでぜひ

今回はここまで。
次回はフェーズ1の2番目「センター返しで肩甲骨を押し込む」回を予定しております。
お楽しみに

詳細はこちら

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